はじめに
結論として無料枠でできることは一通りやっておきましょう。
AWS無料枠を利用すれば、初期費用を気にせずにクラウドサービスの学習や検証を始めることができます。
この記事では、AWS無料枠でできることや、初心者に向けたおすすめの活用方法、さらに無料枠を利用する際の注意点について詳しく解説します。
無料枠でできること
AWS無料枠では、初心者がクラウド技術を学ぶのに最適な主要サービスが含まれています。2024年現在、以下のようなことが無料で試せます。
Amazon EC2 | 仮想サーバーの構築 | t2.microまたはt4g.microインスタンス750時間/月 |
AWS Lambda | サーバーレスアプリケーションの構築 | 100万リクエスト/月、400,000GB秒の実行時間 |
Amazon S3 | データの保存や静的ウェブサイトのホスティングが可能なオブジェクトストレージ | 5GBのストレージ、20,000 GETリクエスト、2,000 PUTリクエスト/月 |
Amazon EBS | EC2インスタンスに使用するブロックストレージ | 30GBのストレージ(汎用SSD gp2) |
Amazon RDS | マネージドなリレーショナルデータベース | 750時間/月、20GBストレージ |
Amazon DynamoDB | 25GBのストレージと200万リク高速でスケーラブルなNoSQLデータベース | 25GBストレージ、200万リクエスト/月 |
Amazon CloudFront | コンテンツ配信ネットワーク(CDN)で、静的コンテンツを低遅延で配信 | 50GBデータ転送、200,000リクエスト |
Elastic Load Balancer | アプリケーション間のトラフィックを効率的に分散する負荷分散 | 750時間/月 |
Amazon CloudWatch | AWSリソースの監視とログ管理 | 10個のカスタムメトリクス、3つのダッシュボード、10個のアラーム |
さらに高度なことを学びたい方は以下のようなサービスがありますが、初心者向けのサービスではないので優先度は低いです。
Amazon Aurora | 高性能でスケーラブルなリレーショナルデータベース | 750時間/月のクラスター使用 |
Amazon SageMaker | 機械学習モデルの構築・トレーニング・デプロイが可能 | 250時間のトライアル |
Amazon Rekognition | 画像や動画を解析し、顔認識や物体検出が可能 | 5,000リクエスト/月 |
Amazon Polly | テキストを自然な音声に変換 | 5,000,000文字/月 |
Amazon ElastiCache | 高速なキャッシュ機能 | 750時間/月 |
無料枠の概要
12ヶ月間の無料利用枠を利用できます。AWSアカウントを持つ全ユーザーが対象で、利用料に応じて無料利用枠が適用されます。
初心者向けのおすすめの活用方法
AWS無料枠を活用して、初心者が実際に試してみるべき具体例をいくつか紹介します。
- 静的サイトの公開
- サーバーレスアプリケーションの作成
- Linuxサーバーを構築して簡単なWebアプリを動かす
- データベースを構築して運用する
サーバーレスアプリケーションの作成
静的サイトだったらなんでもいいので、S3とCloudFrontを使用して公開してみましょう。
LambdaとAPI Gatewayを使用してAPIを作成してAPIをサーバーレスで作成しましょう。その後、確認のためCloudFrontで配信した静的ファイルからjavascriptでAPIを実行できるか確認しましょう。
S3とCloudFrontで静的ファイルを配信する方法は以下を参考にしてください。
【AWS】S3とCloudFrontを使った静的サイトの配信方法を初心者向けに解説
簡易Webアプリの作成
EC2を使用してPHPやPythonで動作するWebアプリケーションを作ってみましょう。PythonやPHPのコードを使用するなら文字を出力するとかでもいいです。
先ほど作成したWebアプリからデータベースの環境を作って別のEC2インスタンスからアクセスできるようにしてみましょう。このデータベースは無料枠を利用してRDSを使用しましょう。
RDSを使用しなくてもデータベースの環境を作れますが、RDSは無料枠の対象なのでRDSを利用することを推奨します。
RDSの使い方については以下を参考にしてください。
【AWS】初心者でもできる!RDSを使ったデータベース構築ガイド
無料利用枠の注意点
注意点もいくつかあります。
- 利用上限を超えないようにする
- リソースの停止・削除を忘れない
- コスト管理ツールを活用
無料利用枠は上限が設定されています。
例えば、EC2の場合はt2.microを750時間/月まで利用可能です。これは1つのインスタンスを31日間利用できる計算です。上限を超えた場合は通常料金が請求されるため、使用しすぎないように管理しましょう。
EC2インスタンスは使った分だけ請求されるため、使い終わったら必ず停止または削除をしましょう。停止をすると課金が発生しません。
ただし、停止するだけではストレージ(EBSボリューム)などに課金が発生する場合があります。完全に不要な場合はEC2を削除することを忘れないようにしてください。
AWSの「請求ダッシュボード」や「コストエクスプローラー」を利用して、利用状況を確認しましょう。
CloudWatchというサービスがあるので、ある一定のコストを超えたらメールに通知してもらえます。設定しておくことを推奨します。
まとめ
AWS無料枠は、クラウド初心者が技術を学ぶために使用することができます。EC2やS3など主要なAWSサービスを試すことで、実務にも応用可能なスキルを身につけることができるので活用しましょう。
この記事で紹介した無料枠の活用方法や注意点を参考に、ぜひ自分のプロジェクトにAWS無料枠を役立ててみてください!