亀のコツコツクラウドインフラ

2024年12月17日 (最終更新日:2024年12月18日)

AWS S3のストレージクラス、どれを選べばいい?使い道・使い分けでコスト最適化!

はじめに

本記事は以下のような方におすすめです。

  • S3のストレージコストを削減したい
  • ストレージクラスに何を選べばいいかわからない
  • アクセス頻度に合わせた管理をしたい
  • ストレージの保存コストを見直したい

S3の標準ストレージを使用することが一般的ですが、全てを同じストレージクラスに入れておくことは、コストを最適化しているとは言えません。

この記事では、S3のストレージクラスに理解して、用途に応じた使い分けを学ぶことでコストの最適化をする方法をご紹介します。

S3ストレージクラスとは

S3はAWSが用意したオブジェクトストレージのクラウドサービスです。
データをクラウド上に保存して、必要なときにすぐ取り出せるため、幅広く利用されています。

しかし、すべてのデータを同じストレージクラスに保存していると、無駄なコストが発生する可能性があります。
S3では、これを解決するために用途に応じた「ストレージクラス」が用意されています。
このストレージクラスを適切に使い分けることで、効率的なデータ管理とコスト最適化が可能になります。

S3ストレージクラスを分ける理由

では、なぜストレージクラスを使い分ける必要があるのでしょうか?
S3のストレージクラスを分ける一番の理由は、コスト最適化です。

すべてのデータを「標準ストレージ」に保存していると、

  • ほとんどアクセスしないデータ
  • 長期間保存するだけのデータ

も高コストで維持することになり、無駄な費用が発生します。

S3ストレージクラスの一覧

代表的なS3のストレージクラスを紹介します。

ストレージ説明コスト
S3標準高可用性・高耐久性で、頻繁にアクセスするデータ向け。保存コスト: 高い / 取り出しコスト: 無料
S3標準-IAアクセス頻度は少ないが、すぐにデータを取り出せるデータ向け。保存コスト: 標準より低い / 取り出しコスト: 有料
S3 One Zone-IA1つのAZにのみデータ保存する低コストクラス。再生成可能なデータ向け。保存コスト: さらに低い / 可用性は低い
S3 Intelligent-Tieringアクセス頻度に応じて自動で「標準」と「IA」にデータを振り分けるクラス。保存コスト: 中間 / モニタリング費用が発生
S3 Glacier長期アーカイブ向け。取り出しに数分~数時間かかるが、低コストで保存可能。保存コスト: 非常に安い / 取り出し時間ごとに料金変動
S3 Glacier Deep Archive最も低コストなクラス。ほぼアクセスしないデータ向け。取り出しに数時間かかる。保存コスト: 最安価 / 取り出し時間: 長いほど安い

S3標準とS3標準-IAの違い

複数のAZに保存される形式もアクセス速度も変わりません。この二つのストレージの違いは以下になります。

  • データ取り出し料金
  • ストレージ料金

データ取り出し料金はデータ転送料金とは別の料金でインターネットに送信する前にオブジェクトを取得する際に料金が発生します。

S3標準はデータ取り出し料金が無料だが、S3ストレージ料金は高めです。

S3標準-IAはS3ストレージ料金は安めだが、データ取り出しには1GB当たりの料金が発生します。

アクセス頻度が低いデータはS3標準-IAを選ぶことでコスト削減が可能です。ただし、頻繁にデータを取り出す場合はS3標準の方がコスト削減を行うことができます。

S3ストレージクラスの使い分け

S3ストレージクラスは、データのアクセス頻度用途に応じて選ぶことで、コストを最適化できます。

利用ケースストレージ
頻繁にアクセスするデータS3標準
たまにアクセスするデータS3標準-IA
再生成可能でコストを抑えたいデータS3 One Zone-IA
アクセス頻度が不明なデータS3 Intelligent-Tiering
数ヶ月に一度アクセスするバックアップやログS3 Glacier
数年間アクセスしないアーカイブデータS3 Glacier Deep Archive

S3ストレージクラスの事例

一部事例のご紹介をします。

Webサイトのコンテンツ管理

ECサイトやCMSサイトでは、商品画像や動画、コンテンツデータが頻繁にアクセスされます。

そのため、取り出しコストが無料で高いパフォーマンスを維持できるS3標準を利用します。

定期的なバックアップ管理

中小企業のバックアップシステムでは、サーバーデータの週次バックアップをS3に保存します。

バックアップデータはほとんどアクセスされないため、保存コストが安いS3標準-IAを利用することで、コストを抑えることができます。

データ長期保存

医療業界では、患者データや診断記録を法規制に従い、7年間保存する必要があります。

そのため、S3 Glacier Deep Archiveを利用し、保存コストを最小限に抑えつつ、必要な場合には取り出せる仕組みを構築します。

まとめ

S3のストレージクラスを正しく理解し、適切に使い分けることで、無駄なコストを抑えつつ、必要なデータを効率よく管理できます。

自分のデータの用途やアクセス頻度を見直し、最適なストレージクラスを選んでみましょう!

この記事を書いた人

コツコツ亀

コツコツ亀

Webエンジニアとして活動中
AWSを使用してWebアプリケーションを作ったり、サーバーを構築したりしています。

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