はじめに
DNSは、クラウドエンジニアがネットワークを設計・運用する上で欠かせない基礎知識の一つです。特にAWSでは、DNSを利用して負荷分散やトラフィック管理を行うシーンが多く、しっかり理解しておくことが求められます。
本記事では、DNSの仕組みとクラウドエンジニアにとっての重要性、さらにAWSとの関連性についてわかりやすく解説します。
DNSとは
DNS(Domain Name System)は、「ドメイン名」を「IPアドレス」に変換する仕組みです。インターネットを利用する際、私たちは人間にとって覚えやすい「example.com」のようなドメイン名を使用しますが、コンピュータやネットワーク機器は「192.0.2.1」のようなIPアドレスで通信しています。
DNSは、この「ドメイン名」と「IPアドレス」を橋渡しする役割を担い、インターネットをスムーズに利用できるようにしています。
DNSの仕組み
リクエストをするとDNSクエリを実行してIPアドレスを取得します。DNSクエリ実行からIPアドレスを返却されるまでの仕組みは以下のとおりです。
- リゾルバ:ブラウザが「example.com」にアクセスするとリゾルバがDNSクエリを処理します。
- ルートDNSサーバー:どのトップドメインレベル(TLD)を使えばいいか教えてくれます。
- TLDネームサーバー:どの権威DNSサーバーに問い合わせるかを教えます。
- 権威DNSサーバー:ドメインに対応するIPアドレスを返します。
レコードとは
レコードとはそのドメインに対してのルールになります。
以下が代表的なレコードになります。
レコード名 | 内容 |
---|---|
Aレコード | ドメイン名をIPv4アドレスに紐付ける |
CNAMEレコード | 別のドメイン名にエイリアスを設定する |
MXレコード | メールサーバーの設定に使用する |
NSレコード | ドメインが使用するDNSサーバーを指定する |
DNSとAWS等のクラウド関係性
AWSには「Route 53」というDNS管理サービスがあります。Route 53を使うと、カスタムドメインの管理やトラフィックのルーティング、さらに負荷分散などを簡単に設定できます。例えば、以下のようなシーンで役立ちます:
- ドメイン名の管理:Route 53では、独自ドメイン名を登録し、サブドメインの作成が可能。
- トラフィックルーティング:ユーザーの地理的な位置に基づいて、最適なサーバーにトラフィックをルーティング。
- 可用性の向上:冗長性が高い構成をサポートしており、DNSの停止を防ぎます。
まとめ
DNSは、クラウドエンジニアにとって必ず知っておかなければならない技術の一つです。本記事ではDNSの仕組みを解説しました。クラウドエンジニアを目指す方は、まずDNSの基本を押さえ、AWS等の実践的な活用に進むことをおすすめします。