はじめに
以下の方におすすめの内容になっています。
- CIDR形式の設定のベストプラクティスがわからない
- CIDRについてわからない
- ネットワークについて学んでいる
この記事では、CIDRの基本からネットワーク設計での注意点、AWSでの実践的な活用方法までを、初心者向けに解説します。
CIDR形式とは
CIDR(Classless Inter-Domain Routing)は、IPアドレスを効率的に割り当て、ネットワークを分割・管理するための表記方法です。
例えば、192.168.0.0/24
という形式を見たことがあるかもしれません。
この意味を簡単に分解すると・・・
- 192.168.0.0: ネットワークアドレス(IPアドレス範囲の開始地点)
- /24: サブネットマスクをビット単位で表したもの(ここでは上位24ビットがネットワーク部分を表す)
192.168.0.0/24
の場合、IPアドレスは 192.168.0.0
から 192.168.0.255
の範囲になります。
CIDR設計時の注意点
CIDR設計をする際に注意すべきポイントをいくつか挙げます。
IPアドレスの範囲の重複
複数のネットワークが重複するCIDR範囲を持つと、通信障害が発生します。
特にVPCピアリングやオンプレミスとの接続時には、事前に範囲を計画することが大切です。
将来の拡張性を考慮
小さいサブネットに分割しすぎると、後で拡張が難しくなります。
例:192.168.0.0/24
を最初に割り当てるのではなく、余裕を持った設計にする。
CIDRの範囲の制限
必要最小限の範囲を設定し、不必要なIPアドレスを含めないことでセキュリティを向上できます。
CIDRが作られたのはなぜ?
CIDRは、従来の「クラスフルアドレッシング」の限界を解決するために作られました。
以前はIPアドレスをA、B、Cクラスで分類して、決まったアドレス範囲を使用していましたが、大規模ネットワークではIP枯渇問題、小規模ネットワークではアドレスが余って非効率といった状況でした。
CIDRはネットワークサイズを柔軟に調整できるため、IPアドレスを効率的に利用できるようになりました。これにより、インターネット全体でのアドレス資源の有効活用が進みました。
AWSにおけるサブネットおすすめのCIDR設定
AWSでのネットワーク設計におけるCIDRの設定例を紹介します。
VPCのCIDR設定
AWS VPCを設計する際、最初にCIDRを設定します。推奨される範囲はプライベートIPアドレスを使うことです。
10.0.0.0/16
(最大65,536個のIPアドレス)
これにより、後からサブネットを分割しやすくなります。
サブネットのCIDR設定
CPC内にサブネットを作成する場合、用途ごとに分割します。
パブリックサブネットでは10.0.0.0/24
プライベートサブネットでは10.0.1.0/24
各サブネットには256個のIPアドレスを割り当てることができますが、AWSでは一部予約済みです。(使用可能なのは251個)
/24
の場合は予約しているアドレスは以下の通りです。
- ネットワークアドレス
10.0.0.0
- ブロードキャストアドレス
10.0.0.255
- VPCルーター用アドレス
10.0.0.1
- DNSリゾルバー用アドレス
10.0.0.2
- 予約済みアドレス
10.0.0.3
まとめ
CIDRの基本や設計時の注意点、AWSでの活用方法を解説しました。
CIDRはネットワーク管理の効率化に欠かせない技術で、特にAWSのVPCやサブネット設計で重要です。
IPアドレス範囲の計画とAWS特有の予約アドレスを考慮し、効率的で安全なネットワーク設計を目指しましょう。